予防接種とは

予防接種とは

予防接種とは、ヒトの体に備わった免疫システムを利用して作られたワクチンを、あらかじめ接種しておくことによって感染症への罹患や重症化を予防するものです。ワクチンの種類には、生ワクチン、不活化ワクチン、mRNAワクチンなどの種類があります。

感染症にかかると抵抗力が落ち、肺炎を引き起こしたり、持病を悪化させたりするリスクが高まりますので、予防接種によってそうしたリスクを避けることも大切です。また、予防接種は接種した人だけではなく、社会全体に感染症の蔓延を防ぐものでもあります。地域や職域のみなさんが、健康的に暮らせるよう、積極的に予防接種を受けることをおすすめします。

当院では、コロナワクチン、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン、麻しん風しん混合ワクチン、帯状疱疹ワクチンなどの各種予防接種を行っています。接種に関しましては、事前の予約をお願いしています。

コロナワクチン

当院では新型コロナウイルスのワクチン接種を行っています。

新型コロナワクチンは、現時点で2024年3月までは無料で接種を受けられます。ただし、同ワクチンの接種を希望される方は、お住まいの自治体(市区町村)より送付される接種券が必要となります。お手元に届いていないという方は、お住まいの自治体へお問い合わせください。

令和5年秋開始接種について|豊田市 (city.toyota.aichi.jp)

新型コロナのワクチン接種には予約が必要です。もしくは当院に直接お申込みください。

以下の方法にて、予約のお申込みをお願いします

  • お電話 0565-28-5136
    受付時間 月曜日~土曜日(8:45~12:45)、(15:30~18:30)
  • 当院受付にて直接お申込み
    月曜日~土曜日 診察時間内

当日ご持参いただくもの

  • ワクチン接種券(クーポン券)
  • 本人確認書類(健康保険証、運転免許証、顔写真付きマイナンバーカード等のうち一つ)

※当日は肩を出しやすい服装でお越しください。

肺炎球菌ワクチン

肺炎は常に日本人の死因の上位に位置する病気で、さらに肺炎の多くは肺炎球菌が原因と考えられています。特に高齢の方では肺炎が原因で命を落とす方が多く、また抵抗力が落ちることから他の病気も合併して、健康寿命を縮めてしまうことも少なくありません。さらに一度肺炎になった肺は元通りにはならない場合も多く、体力が低下して、また肺炎にかかるという「肺炎の悪循環」に陥る危険性があります。そうしたリスクを低減するためにも、肺炎球菌ワクチンの接種をお勧めします。

なお、高齢者の肺炎球菌ワクチンは定期予防接種となっています。市内在住の方で、定期予防接種の条件に当てはまる方には市の補助があります。対象となるのは、これまで肺炎球菌(ニューモバックス)の予防接種を1回も受けたことがない方で、当年度内に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方、および60~64歳の方で特定の条件を満たしている方です。詳しくは下記をご参照ください。

高齢者の予防接種|豊田市 (city.toyota.aichi.jp)

※肺炎球菌ワクチンを再接種する場合、5年以内に行うと、注射部位に強い痛みなどが生じる場合があるため、再接種を希望される方は5年以上の間隔をあけるようにしてください

※肺炎はインフルエンザから体力低下などによって併発することも少なくありませんので、肺炎予防のため、インフルエンザワクチンも併せて接種することをお勧めします

インフルエンザワクチン

インフルエンザは風邪に似た症状を現すウイルス感染症です。特徴としては急激に発症し、38度以上の高熱を発すること、咳やのどの痛みなどの局所的な症状に加えて、関節痛や筋肉痛などの全身症状が現れることです。高齢の方や小さなお子様、妊娠中の女性、呼吸器や心臓の疾患、糖尿病など代謝性の疾患のある方は重症化の危険性が高いと言われています。高齢の方の場合は肺炎、小さなお子様は脳症など重篤な合併症引き起こす場合もありますので、ワクチンを接種し、予防することをお勧めします。

基本的には12~3月を中心とした時期にインフルエンザが流行します。ワクチンの効果が現れるのには約2週間かかりますので、なるべく早めに接種を済ませておくのが良いでしょう。インフルエンザウイルスは毎年変異し、その構造を変えるため、それに合わせてワクチンの内容も毎年変更されます。インフルエンザ予防のためには、毎年、予防接種することも重要です。

インフルエンザ予防接種では、市内在住の65歳以上の方に公費補助があります。詳しくは下記をご参照ください。

高齢者の予防接種|豊田市 (city.toyota.aichi.jp)

麻しん風しん混合ワクチン

「麻しん(Measles)」および「風しん(Rubella)」の予防を同時に行うワクチンで、MRワクチンとも呼ばれます。それぞれの毒性を低減したウイルスを使用した生ワクチンで、2回接種することにより効果が高まると期待されています。2回目と2回目は基本的に4週間の間隔を取ります。

麻しんは「はしか」という名前でも知られている病気で、風邪に似た症状に加え、39℃以上の高熱と発疹が出現するのが特徴です。肺炎、中耳炎を合併する場合もあります。また風しんは「3日はしか」とも呼ばれるもので、麻疹と同様に発熱や発疹があり、さらに首や耳の後ろのリンパ節が腫れるのが特徴です。悪化すると脳炎や血小板減少性紫斑病を併発する場合もあります。どちらも成人でかかると重症化する場合が多くみられます。

風しんは、妊娠初期の妊婦の方が罹患すると、赤ちゃんの耳や眼、心臓等に異常をきたす「先天性風疹症候群」が現れる危険性があります。出産を控える方はもちろん、周囲の方もワクチンを接種しておくことが大切です。

麻しん風しん混合ワクチンの予防接種は、市内在住で条件の当てはまる方に公費補助があります。
下記サイトをご参照ください。

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は、神経に沿って帯状に炎症を起こし、ピリピリとした痛みが現れ、赤い斑点が現れ水ぶくれ(疱疹)になる病気です。疱疹が治った後も帯状疱疹後神経痛を発症する場合もあり、めまいや耳鳴り、さらには重症化すると視力低下や失明、顔面神経麻痺など重篤な後遺症が残る場合もあります。

帯状疱疹は、子供のころ水ぼうそうを引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルスに感染し、水ぼうそうにかかったことのある方が発症するものです。神経細胞にこのウイルスが残っていると考えられ、それが加齢やストレスになどによって抵抗力が低下すると再び活性化し、帯状疱疹が発症すると考えられています。

帯状疱疹は50歳を過ぎたくらいに発症することが多いため、50歳以上の方に帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されています。ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。

生ワクチン(乾燥弱毒性水痘ワクチン「ビケン」)

水ぼうそうと帯状疱疹の予防効果があるもので、接種対象者は50歳以上の方となっています。5年程度、効果が持続するとされ、接種方法は皮下注射、接種回数は1回です。

不活化ワクチン(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン 「シングリックス筋注用」)

帯状疱疹のために作られたワクチンで、接種対象者は50歳以上の方および帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方となっています。効果は10年程度持続するとされ、接種方法は筋肉内注射、接種回数は2回です。

※免疫力が低下している方には、生ワクチンは使用できず、また、生ワクチンはほかのワクチンを接種する場合、4週間空けることが必要です。

※不活化ワクチンであるシングリックスは生ワクチンに比べ、より予防効果が高く、インフルエンザや肺炎球菌など他の不活化ワクチンとの同時接種も可能です。

帯状疱疹ワクチンは任意接種であるため、全額自己負担となりますが、豊田市では一部公費補助があります。詳しくは下記をご参照ください。

任意の予防接種の費用助成|豊田市 (city.toyota.aichi.jp)

小児予防接種

赤ちゃんは生まれた当初、お母さんから授かった免疫を持っていますが、生後数ヶ月くらいから弱まってきます。すると赤ちゃんは、免疫による抵抗力が未熟な状態となり、感染症にかかりやすくなってしまいます。

感染症の中には重篤な状態になって命に関わったり、後遺症が残ったりするものもあります。それを防いだり、重症化しないようにしたりするのがワクチンによる予防接種です。生後2ヶ月から定期接種を受けられるようになります。

現在、予防接種は非常に種類が多く、接種する回数やタイミングも様々です。いつ、何を接種していいか、迷ってしまう保護者の方も多いと思います。生後2カ月を迎えたら、まずは小児用肺炎球菌、ヒブ、B型肝炎、ロタウイルスワクチンの接種をお勧めしますが、その後のワクチン接種のスケジュールに関しても、お子様一人一人についてご相談に応じ、目安となるスケジュールを作成いたしますので、お気軽にご相談ください。

ワクチン接種のスケジュールについては、以下に接種開始年齢・回数などがわかりやすく書かれていますので、ご参照ください

※感染症予防のために早期接種が有効なことを考えると、同時接種可能なワクチンは同時に摂取することがお勧めですが、不安を感じる場合はご相談のうえ決めていきますので、ワクチン接種の予約を取る前に、ご受診しご相談ください。

当院の小児予防接種について

予防接種は

  • 月曜日、火曜日、木曜日、金曜日 15:30~18:00に行っています。

※必要なワクチンを用意するため、5日前までにお電話またはWEBにてご予約ください。
※上記の曜日、時間に仕事や学校の都合などでご来院できない場合は、お電話にてご相談ください。

接種可能な予防接種

当院では豊田市の定期予防接種ならびに任意予防接種を行っています。

豊田市の予防接種について

豊田市での定期予防接種は、すべて指定医療機関での個別接種となります。当院は豊田市の指定医療機関となっておりますので、定期予防接種はすべて接種可能です。定期予防接種は、予防接種費用が原則として公費負担(=無料)です。

定期予防接種のワクチンの種類

  • ロタウイルス [ロタリックス][ロタテック]
  • B型肝炎
  • ヒブ
  • 小児用肺炎球菌
  • BCG
  • 4種混合第1期(ジフテリア・破傷風・百日せき・不活化ポリオ)
  • ポリオ
  • 3種混合第1期(ジフテリア・破傷風・百日咳)
  • 麻しん風しん混合
  • 水痘
  • 2種混合第2期(ジフテリア・破傷風)
  • 日本脳炎
  • 子宮頸がん

豊田市の定期予防接種につきましては、下記もご参照ください。

子どもの予防接種|豊田市 (city.toyota.aichi.jp)

任意予防接種

任意予防接種は、費用を自己負担する必要がある予防接種です。

  • おたふくかぜ(豊田市では費用の一部助成があります)
  • インフルエンザ
  • 髄膜炎菌

豊田市の任意の予防接種の費用助成につきましては、下記もご参照ください。

任意の予防接種の費用助成|豊田市 (city.toyota.aichi.jp)

予防接種の際にご持参が必要なもの

  • 母子手帳
  • 接種券
  • 健康保険証

予防接種後の注意点

予防接種後およそ30分は、ワクチンへの副反応などの異常がないかどうか様子を見るため、当院内でお待ちいただくか、すぐに連絡が取れるようにしておいてください。